横浜ゴムは、10月25日から28日まで北九州市で開催される「IRC 2016 Kitakyushu ゴム・エラストマー技術展」で、バイオマスから合成ゴムを合成する2つの技術を展示すると発表しました。
バイオマスとは生物資源を総称する用語で、今回は植物から合成ゴムを合成する2つの技術を紹介しています。同技術によってタイヤ製造の石油への依存度が下がり、二酸化炭素削減に貢献することができます。
1つ目の技術は、植物繊維の主成分であるセルロースからタイヤの原料になるブタジエンを直接合成する触媒の開発です。
この触媒は、横浜ゴムと東京工業大学との共同研究で開発されたもので、現在石油精製の副産物として生産されているブタジエンを植物由来のセルロースから合成できるようになります。
今後横浜ゴムでは、量産化に向けた触媒の設計を進め、2020年代前半には実用化することを目指しています。
2つ目の技術は、植物の細胞を操作して植物からタイヤの原料になるイソプレンを合成する技術。こちらは、横浜ゴム、国立研究開発法人理化学研究所(理研)、日本ゼオンの3者の共同研究により開発されました。
イソプレンは自動車タイヤの原料となるポリイソプレンゴムという合成ゴムの製造原料に使用されています。現在、イソプレンはガソリン精製の過程で、ナフサ熱分解の副生成物として生産されていますが、新技術の開発で、タイヤ生産の石油依存度を低減して、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を削減できるということです。
(山内 博・画像:横浜ゴム、東工大)