三菱自動車が不正防止対策のため組織変更。副社長直轄体制で監査機能を強化

具体的には、性能実験部が提出するデータを検証する立場にある「認証部」を開発本部から独立させ、山下光彦副社長が直轄(10月15日~)。監査機能を強化するとともに、開発本部に法規担当窓口を設置。(2017年1月~)

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また、法律に則った燃費測定(惰行法による)を行うためのマニュアル改定や、人的なデータ改ざん防止を目的とした、走行抵抗データ処理の自動化(12月1日~)なども織り込んでいるそうです。

一連の不正の影に潜む重要な案件として、トヨタ自動車のOBを含む特別調査委員会の調査で明らかになった「開発工数見積りツール」の脆弱さについては、「慢性的な開発工数不足」に直結するため、工数検討委員会(8月30日設置)で工数管理システムを構築し(~12月末)、見積り精度を向上させ、今後は商品計画段階で必要なリソース充当を図るとしています。

確かに自動車開発では部品も多く、特に燃費向上等では多大な「工数」を要するだけに「人の確保」が何より重要であり、粛々と開発を遂行するには、採用活動の段階から体制を強化する必要性が高そうです。

Avanti Yasunori・画像:三菱自動車)

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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