例えばエンジンの水温が温まりやすくなり、早くエンジンを安定状態にすることができます。冬場はヒーターが早く効くことになりますね。またエンジンルーム内に流れ込む空気の量が制限できるので、空気抵抗を低減するデザインとすることもできます。
理論上は無駄な熱を逃がさないことで熱効率がアップし結果燃費が良くなるとも考えられます。開けたり閉じたりを上手に利用することで、性能を高めたクルマでもあったのです。
この驚きの装備が、世界初としてカローラ・レビンに搭載されたのです。世界初採用で、当時の資料には「画期的」という表現を用いて紹介されていました。
ちなみに、似た作動をするクルマがその後レースシーンに現れています。
90年代のドイツ国内を発祥とするツーリングカーレースDTM/ITCで、オペル・カリブラV6が採用しました。ラジエターの入り口にあたるバンパー部分の吸入口(インテーク)にシャッターを採用したものです。高速では閉じて空気抵抗を減らし、ブレーキング時には開いて空気抵抗を拡大させダウンフォースも得るというものでした。
また近年ではメルセデス・ベンツが量産車にエンジンの温度管理と空気抵抗低減の目的で、ラジエターの前にシャッターを用いる方法を採用しています。
最近の高熱効率エンジンでは、燃料を出力とする技術が向上したということは無駄な熱を発生しないので、オーバークールになる傾向もあり、こうした装備がより実用的に必要とされてきたわけです。
それらに比べるとかなり初歩的な技術ではあったのですが、発想という点では秀でたアイデアだったといえるでしょう。
(文:カローラせんせい/小林敦志)
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