■GT-R譲りのシリンダーコーティング技術
新型セレナのエンジンは型番こそ変わりませんが、中身は大幅に改良されました。
一番のポイントは、圧縮比を11.2から12.5に大幅に高めたこと。高圧縮比による効率向上を実現するために、日産は様々な技術を投入してきました。
中でも注目なのが、エンジン冷却効果を高めるためにシリンダー内の鋳鉄ライナーを廃止して、低炭素鋼の薄膜コーティングを採用したこと。
これはGT-Rのエンジンに使われている先進技術で、新型セレナでは更にシリンダー研磨まで実施。この「ミラーボアコーティング」によって、冷却効果に加え、大幅なフリクションの低減を実現しました。
このように1000万円のスーパースポーツカーの技術が、ファミリー向けのミニバンに採用されることこそ、技術の進歩であり醍醐味だと思います。
■第539弾新型セレナのすべて (電子版はこちら)
(星崎 俊浩)