産業技術総合研究所(産総研)の太陽光発電研究センター:モジュール信頼性チームの原 浩二郎 上級主任研究員らは、信越化学工業(信越化学)と共同で、燃えにくくて軽量な、新構造の太陽電池モジュールを開発したと発表しました。
新開発の太陽電池モジュールの構造は、アルミ合金板の裏面材の上にシリコーンゴムでできたシート状の封止材を載せ、この封止材の中に結晶シリコン太陽電池セルを封入し、表面を高分子フィルムで覆った形になっています。
新開発の太陽電池モジュールでは、従来型の太陽電池モジュールに必要だった重いガラス基板や可燃性の有機部材が不要になるという特徴があり、長期にわたる高い信頼性や、高い難燃性や、軽量化、割れない、設置し易いなどのメリットを備えています。
新構造と従来構造の太陽電池モジュールに鋼球を落下させる試験を行って、試験後の発電能力を比べたところ、下図に示すように、従来構造では出力が87%に低下するのに、新構造では99%の出力を発揮できることが確認されました。
これらの新太陽電池モジュールのメリットは、車載用に最適なもので、今後車載用の太陽電池モジュールとして開発が進むことが期待されています。
発売開始が近づいている新型プリウスPHVでは、ルーフ上に太陽電池パネルを設置して、太陽電池パネルで発電した電力を走行用バッテリーの充電に利用するという新しい車載太陽電池の活用法が採用されているようで、今後EV・PHVに太陽電池パネルの搭載が拡大することが予想されます。
(山内 博・画像:産総研)