トヨタ系の自動車部品大手・豊田合成は、同社製の「キャップレス給油口」が日産の新型「セレナ」に採用されたと発表しました。
「キャップレス給油口」は、日本国内で生産・販売される車種として初めて新型「セレナ」に採用されたもので、セルフ式が増えているGSでの給油時に燃料キャップの開閉操作が不要になります。
新型「セレナ」の「キャップレス給油口」は、給油キャップに触れずに済む、給油キャップの閉め忘れをなくすなど、自動車の利便性の向上に貢献する新装備として注目されています。
同時に、その「キャップレス給油口」のサプライヤーがライバルのトヨタ系部品会社の豊田合成であることが今回の発表で明らかになったわけで、系列の壁を越えた新装備の部品供給が業界で話題になりそうです。
自動車部品の供給に関しては従来から系列外からの取引が行われていましたが、外観からは分からない機能部品が主で、今回の「キャップレス給油口」のようにユーザーの目に触れる部品、しかも話題になる国産車で初めての新装備に系列外の部品が採用されるのは稀な出来事です。
豊田合成では「キャップレス給油口」とともに、給油口とタンクをつなぐ燃料配管である「樹脂フューエルフィラーパイプ」も軽量化した同社の製品が新型「セレナ」に採用されており、従来の燃料キャップと金属製配管の組み合わせと比べて約40%の軽量化を達成。車両の燃費性能を向上させる効果があるとしています。
豊田合成は「キャップレス給油口」と「樹脂フューエルフィラーパイプ」をトヨタ系だけに限らず、全メーカーに拡販することを狙っているようで、今後「キャップレス給油口」と「樹脂フューエルフィラーパイプ」がトヨタ系を含めた他のメーカーにどれだけ広がるかが注目されます。
(山内 博・画像:豊田合成、日産自動車)