試乗したのは、340ps/450Nmの3.0L V6スーパーチャージャー搭載車と、「INGENIUM(インジニウム)」と呼ばれる2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボで、いずれもZF製8ATとの組み合わせ。
ほかに、380ps/450Nmを誇る3.0LガソリンのV6スーパーチャージャーも控えていますが、今回は乗る機会がありませんでした。
最量販として期待されるのは、2.0Lのディーゼルターボでしょう。
輸入車を中心に日本でもディーゼルが根付きつつあるいま、しかもその傾向が強いSUVですから639万〜728万円という価格面も含めてディーゼル仕様を指名する人が多いはず。
なお、3.0LのV6スーパーチャージャー搭載車は849万〜981万円(カタログ。導入限定車のぞく)。
430Nmもの最大トルクを誇るだけあって、大柄なF-PACEでも不足は全く感じさせません。最大トルクを発揮する4000rpmまで濃密なトルク感をもって車速を引き上げていきますし、勾配でも力強さを堪能できます。
8ATのスムーズさはもちろん、シフトアップ、ダウンを感じさせない黒子役であるのも好ましく感じますし、必要があればパドルシフトで操作すればストレスのない変速も可能。
一方の3.0L V6スーパーチャージャー搭載車は、340ps仕様(最大トルクはいずれも450Nm)であっても痛快な加速フィールを味わえます。
軽快なフットワークとの相性の良さ、走りの楽しさではディーゼルを上回っている印象を受けました。
スーパーチャージャーらしく低速域からの力強さに加え、高速域の伸びも、再加速する際のパンチ力も強烈そのもの。ディーゼルよりも約200万円高い理由は、ガソリンとディーゼルを乗り比べてみるとまさに実感させられます。
もし、予算が許せばガソリンを指名したいところ。しかし、ディーゼルでもフロントの重さをほとんど意識させない、F-PACEらしい切れ味のあるハンドリングを堪能できますからご安心を。
(文/塚田勝弘 写真/ジャガー・ランドローバー・ジャパン、塚田勝弘)