21周目でレースが再開されると、ARTA BMW M6 GT3、Hitotsuyama Audi R8 LMSの2台は群を抜いての速さを見せます。好調なリスタートのARTA BMW M6 GT3に逃さず食いつくHitotsuyama Audi R8 LMS。遅れてSUBARU BRZ R&D SPORTが後を追います。
29周目でHitotsuyama Audi R8 LMSがピットイン。先にピットを終わらせてARTA BMW M6 GT3がピットに入っている間にトップに立ってしまおうという作戦か?
ここで30周目にARTA BMW M6 GT3がピットイン。ピットタイム36秒6という速さで作業を終えるとコースへ復帰。見事にHitotsuyama Audi R8 LMSの前でのアウトラップに成功します。
ピット作戦でARTA BMW M6 GT3にわずかに及ばなかったHitotsuyama Audi R8 LMS。しかし終盤にARTA BMW M6 GT3がペースを落としつつあったことでギャップがどんどん詰まって行き、残り5周で2秒を切るほどに接近します。
しかしHitotsuyama Audi R8 LMSの接近に最後の力を振り絞って抗うARTA BMW M6 GT3。並びかかけられても見事にかわしてトップを死守!
ラストラップの最終コーナー、リチャード・ライアンのHitotsuyama Audi R8 LMSは小林のARTA BMW M6 GT3のスリップストリームにガッツリと入り込むと、最後の最後で勝負を仕掛け並びかけます。しかし追い抜くよりも早くコントロールラインがやってきて、先にラインを踏んだのはARTA BMW M6 GT3。
0.106秒差でARTA BMW M6 GT3が優勝を果たしました。
2位はHitotsuyama Audi R8 LMS。アウデとしてはSUPER GT参戦以来の最上位でのフィニッシュとなります。
3位はSUBARU BRZ R&D SPORT。SUGOに続いての連続表彰台。
4位はマネパ ランボルギーニ GT3。
5位にはグッドスマイル 初音ミク AMG。初音ミクとしては今期最上位。1戦毎に順位を上げてきていますので、鈴鹿戦では台風の目になるかもしれません。
前戦SUGOでは表彰台に一台もいなかったGT3勢。ここ富士では2台が表彰台に上り、SUBARUとUPGARAGE以外のポイント獲得はGT3勢ということで、GT3勢復活の狼煙が上がったかのように見えました。
次戦はボーナスポイントのつく鈴鹿での1000kmレース。ARTAはかなり重いウェイトを積んでの参戦になります。まだまだシリーズの行方がわからないSUPER GTのGT300クラス。
次戦の鈴鹿はよりいっそう面白い展開になりそうです。
(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)