ほかにも、専用剛性アップ&フロア下空力パーツにより操縦安定性が磨かれているそうですが、走りの印象は見た目どおりかなり硬派なもの。
足まわりは硬めに引き締められていて、コーナーでのロールも抑制され、路面にピタリと吸いつくような動きはミニバン離れしています。
それだけでなく、狙ったラインを外すことなく走れるうえに、ステアリングを戻していった際のボディの揺れも抑えられていますから、慣れてくると背の高いミニバンとは思えない安定感を披露してくれます。
そのぶん、路面の凹凸を素直に伝えるような、上下の動きで跳ねるような乗り心地になるのは仕方ないでしょう。
「上質な乗り味」を目指しているそうですが、あくまで「チューニング系モデルとして」という条件付きなのは間違いなく、ファミリーユースとして許容できるかは人により異なるとしても、メーカー純正によるミニバンとしてはなかなかハードだなという印象を受けました。
硬めの乗り味はサスペンションだけでなく、215/45R18サイズのブリヂストン・ポテンザRE050Aによるものもあるでしょう。なお、ホイールはエンケイ製の7J×18の専用アルミホイールを装着。
それでも、ベース車のヴォクシー/ノアは乗り心地、操縦安定性のバランスに秀でていて、ライバルに対してリードしていると思わせてくれる点ですから、「G’sだからこれくらい当たり前でしょう?」と織り込み済みなら乗り心地もしなやかに感じるでしょうし、もっと攻めてもいいかも、と感じさせるかもしれません。
価格はヴォクシーZS G’s、ノアSi G’sともに311万9237円で、2.0Lガソリン車のみの設定になっています。
(文/塚田勝弘・写真/小林和久)