新入社員に指摘されていた三菱自動車の燃費不正問題

三菱自動車はその後、今回の燃費不正問題が発覚するまで約25年にもわたり、ほぼすべての車種について同様の方法で負荷設定記録を作成して、型式指定審査を受けていたと指摘しています。

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報告書の中では、リコール隠しによる多数の人材流出なども指摘されていますが、中でも注目なのが極めてコンプライアンス意識の低下が続いていた状況。

とくに、驚くべきは、2005年(平成17年)2月18日に開催されたという「新人提言書発表会」において走行抵抗測定方法の問題が取り上げられ、「国仕向け自動車の型式指定審の際に使用する走行抵抗は、惰行法によって測定するというのが法規の定めであり、法規にって惰行法を用いるべきである旨の提言が、時の新人社員からなされた」と、新入社員から突っ込まれたという点です。しかし、その後も同社の運用は改められていません。

今後の復活は日産自動車のサポートも重要ですが、改めて企業風土の刷新は難しいことと感じさせられます。今度こそ自浄力が働くでしょうか。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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