新型ダイハツ・ブーンのアイドリングストップ機構、実燃費はどうか?

トランスミッションは、燃焼効率のいい回転域を使いやすいなど、カタログ燃費向上に利くCVT。もちろん、いわゆる「コースティング」機能付アイドリングストップも用意されています。

新型ブーンに搭載されているアイドリングストップは、軽を含む従来のダイハツ車と同じフィーリングで、再始動時の音、振動ともにスズキのアイドリングストップと比べるとやや大きめ。

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また、停車時に「カックン」ブレーキを防ぐため、少しブレーキを戻しながら停止するようなブレーキ動作だと意図していないのにエンジンが再始動してしまい、再びブレーキペダルを踏み込んでも再停止してくれません。

ホンダの軽なども同様ですが、ドライバーの意図に沿ってくれないのはやや残念なところ。

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ブレーキストロークセンサーなどにより意図しないエンジン再始動を防ぐスズキ方式は、同社の特許かもしれませんが、乗り比べてしまうと少し気になります。

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さらに、コースティングに入ってからのエンジン再始動もスズキの方がスムーズ。ダイハツ・ブーンも9km/h以下では同機構が作動しませんから、渋滞時にエンジンが止まったり再始動したりしてギクシャクした動きにはならないものの、再始動時は音も振動も大きめに伝わってきます。

ただし、新型ブーン/パッソは、2WDだけでなく4WDにも9km/h以下でエンジンがストップするなどにより4WDでも24.4km/Lという燃費を達成しているのも自慢。

ブレーキ操作も「どうすれば再始動せずにアイドリングストップに入れるか」も慣れてくるとコツがつかめますので、オーナーなら慣れるかもしれません。

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さて、新型ブーン/パッソが誇る2WDのカタログ燃費28.0km/Lですが、315km走行して(高速道路約6割、一般道約4割)実燃費は18.5km/L(満タン法)。

なお、メーターの平均燃費表示は走行シーンにより異なりますが、15〜18km/L台(写真は16.7km/L)を表示することが多かったです。

とくにエコランに徹したわけではないので20km/L台も無理とはいいませんが、15〜19km/Lくらいが現実的な数値ではないでしょうか?

(文/写真 塚田勝弘)

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この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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