山内博 
九州大学、NTTドコモ（ドコモ）、ディー・エヌ・エー（DeNA）及び福岡市の４者は、2018年度下期に九州大学伊都キャンパス内で自動運転バスの運行を目的とした「スマートモビリティ推進コンソーシアム」（以下本コンソーシアム）の設立について合意したと発表しました。
本コンソーシアムは、車両のハンドルやアクセル、ブレーキを運転手が操作せずに走る自動運転に必要な走行技術と、通信ネットワークや人工知能を活用した安心かつ便利なサービスの開発に向けた検討をすることで、自動運転バスサービスの早期実用化をめざしています。
DeNAは、先日仏EASY MILE社のEZ10車両を利用した自動運転バスサービスを千葉県内のイオンモールで開始すると発表したばかりで、本コンソーシアムへの参加もその一環と見られます。
4者は、2018年度下期に九州大学伊都キャンパス内の自動運転バスのサービスインに向け、自動運転バスの走行実験、通信ネットワーク及びサービスプラットフォームの技術開発とそれに伴う実証実験のほか、国家戦略特区を活用した規制緩和等を合わせて検討するとしています。
通信ネットワーク及びサービスプラットフォームに関する技術開発の具体的な内容は次の通りです。
・ 見通しの悪い交差点の道路にセンサーを設置することで、車両に搭載されたカメラでは認識することができない車や人を察知し、バス側へ伝えるとともに「遠隔監視センター」にも伝えるといった、二重の安心を確保する「路車間協調技術」
・ バス車内のサイネージを通じて運賃や目的地への行き方等を答えてくれる「音声エージェント技術」
・ 乗降数の予測に基づいて最適なルートで運行し時間短縮を図る「運行管制技術」等の人工知能を活用した技術開発と実証
九州大学伊都キャンパスは、275ヘクタールの広大な敷地を有する私有地であり、かつ、キャンパス内の道路には坂や信号があると共に、バスや乗用車、2輪車、自転車、歩行者等の多数の往来が伴う、公道に近い環境で、自動運転バスの技術確立・ノウハウの蓄積が可能となります。
なお、実証実験の際は、緊急時の対応と安全面確保のためバスにオペレーターが乗車して行うということです。
（山内 博・画像：NTTドコモ）
