マクラーレン・ホンダ F1チーム(マクラーレン・ホンダ)と日本の電気通信大手 NTTコミュニケーションズ (NTT Com)は、7月8日より3年間のテクノロジー・パートナーシップ契約を締結したと発表しました。
今回の契約の第一弾としてNTT Comは、レース会場である世界各地のサーキットとテクニカルセンター間など、国を越えて飛び交うレースデータなどの収集や解析、結果の伝達などを、即時かつ確実に実行できるICT基盤(ネットワーク、クラウド、NFV(Network Functions Virtualisation)、一元運用など)を、今秋よりマクラーレン・ホンダを含むマクラーレングループに対し順次提供を開始することになります。
マクラーレンテクノロジーグループの議長・CEOのロン・デニス氏は、今回の契約に対して
「マクラーレン・ホンダのパートナーに、NTT Comを招くことができとても嬉しく思います。私たちマクラーレン・ホンダは、NTT Comが提供する、大容量のデータ通信を柔軟かつ安定的に実現するICT基盤により、遅延なく必要なシステムやデータにアクセスすることができるようになるのです。」
とコメントしました。
またNTT Comの代表取締役社長である庄司哲也氏は
「モータースポーツ界の革新のシンボルでもあるマクラーレン・ホンダのテクノロジー・パートナーとなったことに興奮しています。このパートナーシップが、マクラーレン・ホンダのF1レースにおけるデジタルデータ収集と活用を変革し、モータースポーツ レーシング自体の革新につなげていけると信じています」
とコメントしています。
マクラーレンは、F1のレース会場や走行中のレース車両などから取得される大量のデジタルデータが、より早くかつ確実にマクラーレンテクノロジーセンターなどを含めた世界中のデータ分析・支援拠点へ伝送されるICT環境を必要としていました。
また各拠点からのデータ解析結果が確実にレース会場へ共有され、最速で対策を実行できることは、レーシングチームのパフォーマンスにも影響します。
そのためNTT Comは、英国、スペイン、米国、シンガポール、日本など世界各地に分散しているマクラーレンの拠点間を、国際ネットワークおよびNFVサービス(Arcstar Universal One)で接続します。
本サービスは、週末のレース中にレーシングカーなどから収集し発生する大容量のデータをリアルタイムにマクラーレンの技術チームまで伝送し、即座に分析結果をレースに反映するために不可欠なネットワークとなります。
今後、両社はマクラーレン・ホンダのF1でのパフォーマンス向上のため、先進技術の研究開発を共同で進めるとしています。
この両社のパートナーシップが苦戦を続けるマクラーレン・ホンダのレース結果の改善につながるかに注目です。
(山内 博・画像:NTT Com)