「718ケイマン」をひと言で言うなら、「718ボクスター」の屋根固定バージョン。
両者はメカニズムも共通で、車両の中央に置かれるエンジンには「718ボクスター」と同じく水平対向4気筒ターボが採用され、2.0Lの「718ケイマン」が最高出力:300ps/最大トルク:380Nm、2.5Lの「718ケイマンS」は350ps/420Nmと、その性能も共通となっています。
しかし車両価格に違いがあり、「718」を冠する新型の車両本体価格では「ケイマン」が619万円〜、「ケイマンS」が813万円〜と、「ボクスター(658万円〜)」および「ボクスターS(852万円〜)」と逆転し、「ケイマン」がポルシェのラインナップの中でも最もリーズナブルなモデルとなりました。ちなみに、導入はヨーロッパを皮切りに2016年9月24日から順次開始されます。
このようにハード面を充実させる一方で「ソフト面も充実する」のが3本目の矢。
ドライバーの技能に合わせたスポーツ走行を楽しめるポルシェドライビングエクスペリエンスやモータースポーツへのサポート継続など、ポルシェの掲げる運転の楽しさを知ってもらう取り組みを引き続き行ない、そこで得た知見は次の市販車へフィードバックしていくと言います。
ハードとソフトによる好循環の構築。すでにその成果が実態として表れているだけに、街中で叫ばれている絵空事とは違って説得力があり、期待もあります。今後の展開から目が離せません。
(今 総一郎)