テスラ・モデルSが米国の公道で自動運転中に初の死亡事故

電気自動車の米国テスラ・モータースは、同社モデルSで自動運転中に発生した死亡事故について、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が予備審査を開始したと6月30日に発表しました。

section-initial

各種情報によると、公道で自動運転中の自動車による死亡事故が明らかになるのは初めてということです。

事故は5月7日、フロリダ州の幹線道路を自動運転で走行中のモデルSの前方を大型トレーラーが横切ったところ、トレーラーの側面にモデルSが衝突。ドライバー1名が死亡したというものです。

テスラの発表によると、事故は強い日差しの中で発生。白色に塗装されたトレーラーにドライバーが気付かず、モデルSの自動運転システムも動作しないか、あるいは動作が間に合わない形で発生しました。

tesura

モデルSの自動運転システムは、米国では昨年10月に発表され、日本でも国交省の認可を受けて、自動運転システムの配信が今年1月から始まっています。

モデルSの自動運転システムでは、カメラ・レーダー・センサーで周囲の状況を検知し、設定された速度で所定の車間距離を保って走行しますが、自動運転中でもハンドルを握ることが必要で、運転中にドライバーがハンドルから手を離したらシステムが自動的に減速運転に入るようになっています。

テスラでは、モデルSの自動運転システムはドライバーが何らかの運転操作をすれば、すぐに自動で解除されるようになっており、またシステムは開発途上であることをユーザーに告知済みであると発表しています。

テスラの自動運転中の死亡事故は1億3000マイル(約2億km)の走行実績で今回初めて発生しましたが、米国内では9400万マイル毎に、全世界では6000万マイル毎に死亡事故が発生しているとしています。

今後NHTSAの調査結果がどのようになるかに注目が集まっています。

(山内 博・画像:テスラ・モータース)