トヨタとKDDIは、「つながるクルマ」に必要な車載通信機(データ・コミュニケーション・モジュール、以下 DCM)とクラウド間の通信でにおいて、高品質で安定した通信をグローバルに確保するために、従来のローミングサービス等に依存しないグローバル通信プラットフォームの構築を推進すると発表しました。
クルマの「つながる化」を推進するため、現在は国・地域で仕様が異なっているDCMを、2019年までにグローバルで共通化。2020年までに日本・米国市場で販売されるほぼ全ての乗用車に搭載し、その他の主要市場においても順次搭載を進めていく予定です。
今回構築するグローバル通信プラットフォームは、グローバル共通DCMを搭載した車両の位置情報から、国・地域ごとに選定した通信事業者への自動的な接続・切替と、通信状態の監視を統合的に行うもので、これにより、コネクティッドカーに必要な、高品質かつ安定した通信をグローバルで維持することができます。
通信の接続・切替は、ローミングに依存せず、DCMに内蔵されたSIMの設定情報を、通信による書き換えによって行うことで、選定した通信事業者へ直接接続が可能となり、ユーザーはより低価格かつ高品質の通信を車両から確実に利用することができます。
当プラットフォームはトヨタとKDDIが共同で企画・設計し、開発・運用はKDDIが行うということです。
また、各国における通信回線は、KDDIが有する600社以上の海外通信事業者との関係を生かし、トヨタとKDDIが共同で選定・調達し、当通信プラットフォームに組み入れていく予定です。
一方ですでにトヨタはソフトウェア大手の米・マイクロソフトと共同で、新会社「Toyota Connected, Inc.」(上の写真は同社のヒックス社長)を、2016年4月に米国テキサス州プレイノに設立しており、車載通信機(DCM : データ・コミュニケーション・モジュール)が装着されたトヨタ車、レクサス車から得られる様々な情報を集約するトヨタ・ビッグデータ・センター(以下、TBDC)の運用を推進しています。
トヨタは今回のKDDIとのグローバル通信プラットフォームおよびマイクロソフトとのTBDCの運用で「つながるクルマ」でも万全の事業体制を構築しているものと見えます。
(山内 博・画像:トヨタ)