JAFの調査で判明した「自動ブレーキ」に対する誤解とは?

「自動ブレーキ」は、正しくは「衝突被害軽減ブレーキ」。その名が示すとおり、ドライバーに警告音で危険を知らせることで減速を促し、それでも反応が無い場合に強制的にブレーキングして衝突を回避、または衝突被害を最小限に軽減する装置。

ドライバーの認知ミスを補完する装置に過ぎず、将来に向けて研究が進みつつある「自動運転車」が装備しているような物とは本質的に異なります。

JAF_05

もっとも、遠方まで障害物を検知できる「ミリ波レーダー」や「カメラ」などのセンサーと「クルーズコントロール」の組み合せにより、前走車との車間距離を常に一定に保ちながら全車速で追従走行できる車種も存在します。

「自動ブレーキ」と言ってもその性能は様々であり、特に軽自動車ではコストの関係で比較的安価な「レーザーセンサー(赤外線)」を使っているケースがほとんど。

軽自動車にも遠方まで検知できる「ステレオカメラ」装着モデルが登場していますが、中には「レーザーセンサー」を「レーザーレーダー」と謳っているケースも見受けられ、消費者としてはあらかじめその性能をよく理解しておく必要があります。

JAF_06

また「自動ブレーキ」が機能する速度域についても、30km/h以下、もしくは50km/h以下と、動作速度域が限定されているシステムもあります。さらに、天候や道路状況によってもシステムが十分に作動しない場合もあります。

システムは日々進化を続けていますが、ドライバーは決して過信せず、安全運転を心がけることが重要です。

Avanti Yasunori ・画像:JAF)

【関連記事】

政府が交通事故死者数削減で自動ブレーキ装備義務化を検討
https://clicccar.com/2016/03/04/358028/

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
続きを見る
閉じる