G’s、GRMNのフルラインナップ試乗会。G’s VOXYに続いて乗ったのはマークXのGRMN仕様。
19インチ大径サイズのホイールに、リアがより幅広&扁平のタイヤを履く本格的FRです。
エアダムを左右に広げ、アグレッシブでエレガントさを増したエクステリアは、AMGやMといった欧州の名門チューナーにも共通する文法が貫かれています。
驚いたのは、G’sノアから乗り換えた直後から、車格やサイズが似ても似つかないにもかかわらず、ニュルブルクリンク仕込みらしい懐の深い乗り味が地続きで感じられたことです。
というのも車高が下がってストローク感は短くなったとはいえ、アシがおそろしくよく動き、フラットな乗り心地が持続します。
ステアリング操舵に対する素直な回頭性、ブレーキのタッチ、そしてV6の3.5Lが絞り出す321ps・380Nmの滑らかなパワーフィールなど、明らかに動的質感という点では2ランクほど上がってはいますが。
惜しむらくは、袖ヶ浦ではこのパワーと体躯をやや持て余してしまうところでした。
8コーナーのような大回りでヨーが残る局面では、穏やかとはいえ立ち上がりで踏みすぎるとナチュラルにオーバーステアが出て、次の逆振りのヘアピンでよろけるといった具合です。
ただしコーナー出口でなく、もっと上手なドライバーが進入時からパワードリフトに持ち込むような操り方をしたら、話は別かもしれません。
それだけ積極的にコントロールしてこそ光る何かを秘めているだけでなく、コントロール性の高さを感じさせてくれる一台、それがこのマークX GRMNなのです。
(南陽 一浩)
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