今回開発したOTAソリューションは、更新ソフトウェアの生成や配信を行うOTAセンター側のシステムと車両側のシステムで構成されており、日立グループの3社が分担して開発しました。
まず日立が担当したOTAセンター側のシステムでは、OTAセンター側で新プログラムと旧プログラムの差分を抽出・暗号化し、差分データのみを車両に配信します。
次に日立オートモティブが担当した車両側のシステムでは、クラリオンの無線通信機(TCU:Telematics Communication Unit)で受信したデータセンターからの差分データを、セントラルゲートウェイを介して自動運転ECUやエンジンECUなどの更新対象のECUに送信。
更新対象のECUは、上記差分生成サービスに対応する高信頼な差分復元・更新ソフトウェアを用いて、差分データと旧プログラムから新プログラムを復元し、メモリ上のプログラムの書換えを実行することで、ソフトウェアを更新します。
データセンターと車両のセントラルゲートウェイ間では、配信データの暗号化や相互認証を行うことで、情報漏えい、改ざん、成りすましを防止し、セキュリティが確保されます。
自動車の電子化が進んで、一般ユーザーが愛車をディーラーへ持ち込んで車載ソフトウェァを更新してもらう作業を経験されたことも多いと思います。
今回のOTAソリューションがあれば、車載ソフトウェアの保守・更新を遠隔で自動化することが可能になりユーザーの利便性が向上するため、早期の実用化が期待されます。
(山内 博・画像:日立オートモティブシステムズ)