ステアリングは丸じゃなくていい!ヨーク、それともスティック? 【山口京一F2P Vol.15】

サイド、センタースティックは、コンセプトカーに見られました。

7. 1998年メルセデス-ベンツF200コンセプトカーのサイドとセンタースティック・コントロール。
7. 1998年メルセデス-ベンツF200コンセプトカーのサイドとセンタースティック・コントロール。

私が見た究極のスティック操縦は、パリ・セーヌ川の遊覧船コクピットの若いパイロット。

8. パリ・セーヌ川遊覧船の若いパイロットの右手は操舵ジョイスティック、右上方に2本の航空機型スロットルレバー。
8. パリ・セーヌ川遊覧船の若いパイロットの右手は操舵ジョイスティック、右上方に2本の航空機型スロットルレバー。

操舵は小さなジョイスティック、推進は航空機のようなスロットルレバー、着岸、離岸は水噴射サイドスラスターでした。キャプテンは、パイロットの脇に立ってアナログ双眼鏡で見張り監督。「彼はプレーステーション世代なので、うまいものだよ。」

9. セーヌ遊覧船はリアビューモニターを備えるが、キャプテンは双眼鏡で前方確認!
9. セーヌ遊覧船はリアビューモニターを備えるが、キャプテンは双眼鏡で前方確認!

 

2011年東京モーターショーには、ホンダがS660のデザインスタディともいうべきEV- Ster、新型アコードのデザイン示唆コンセプトセダン、そして都市型移動マイクロカーコンセプトが展示されました。3車に共通するのが、左右2本のステアリングレバー、“ツインレバーステアリング”、略称TLSでした。

10. 幻のHonda・Honda F1。ステアリングヨークは見えない。
10. 幻のHonda・Honda F1。ステアリングヨークは見えない。

本田技術研究所の小チームは、長年TLSの研究と開発を続けてきました。最初のゴーカートには私も試乗しましたが、カート不得意な私でもコントロールが楽だったのが印象的でした。

11. Honda F1 コクピットのTLS.
11. Honda F1 コクピットのTLS.

もし、ホンダがあと1年、コンストラクターとしてF1を継続していたらTLSを用いていたでしょう。FIAの安全審査認可も受けていたということです。そのF1のコクピット内側には鈴鹿サーキットコース図が貼ってあります。バトン、ヴルツが実際に鈴鹿でTLSと通常ヨーク型の比較テストを行い、TLSが速かったといいます。

12. 2011年東京モーターショー・コンセプトEV-SterのTLS 。他のコンセプト2台もTLS。
12. 2011年東京モーターショー・コンセプトEV-SterのTLS 。他のコンセプト2台もTLS。
13. TLSは健在です。2015年東京ショーのコンセプト3輪スクーター。左右独立2本のレバーで、前輪が大角度操舵する。
13. TLSは健在です。2015年東京ショーのコンセプト3輪スクーター。左右独立2本のレバーで、前輪が大角度操舵する。

(山口 京一)