サイド、センタースティックは、コンセプトカーに見られました。
私が見た究極のスティック操縦は、パリ・セーヌ川の遊覧船コクピットの若いパイロット。
操舵は小さなジョイスティック、推進は航空機のようなスロットルレバー、着岸、離岸は水噴射サイドスラスターでした。キャプテンは、パイロットの脇に立ってアナログ双眼鏡で見張り監督。「彼はプレーステーション世代なので、うまいものだよ。」
2011年東京モーターショーには、ホンダがS660のデザインスタディともいうべきEV- Ster、新型アコードのデザイン示唆コンセプトセダン、そして都市型移動マイクロカーコンセプトが展示されました。3車に共通するのが、左右2本のステアリングレバー、“ツインレバーステアリング”、略称TLSでした。
本田技術研究所の小チームは、長年TLSの研究と開発を続けてきました。最初のゴーカートには私も試乗しましたが、カート不得意な私でもコントロールが楽だったのが印象的でした。
もし、ホンダがあと1年、コンストラクターとしてF1を継続していたらTLSを用いていたでしょう。FIAの安全審査認可も受けていたということです。そのF1のコクピット内側には鈴鹿サーキットコース図が貼ってあります。バトン、ヴルツが実際に鈴鹿でTLSと通常ヨーク型の比較テストを行い、TLSが速かったといいます。
(山口 京一)