ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、ホンダが本年3月より販売を開始した新型の燃料電池自動車(以下、FCV)「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエルセル)」に、自社の軽量化素材が採用されたことを発表しました。
上図で車体後方の緑色部分に示すワンショットハイブリッド成形リアバンパービームという部品に、ランクセスの軽量化素材が採用されています。
このワンショットハイブリッド成形リアバンパービームには、熱可塑性コンポジットシート「テペックス」(登録商標)と、プラスチック「デュレタン」(登録商標)が、樹脂とガラス繊維からなる複合素材GFRTP(Glass Fiber Peinforced Thrmo-Plastics)の材料として使用されています。
ホンダでは、GFRTPによるワンショットハイブリッド成形リアバンパービームは世界初になる、としています。
ランクセス日本法人の代表取締役社長である辻英男氏は、「ホンダの新型FCVのリアバンパーに、ランクセスの『テペックス』および『デュレタン』が採用されたことを心より光栄に思います」とコメントしています。
またランクセスのハイパフォーマンスマテリアルズ シニアエンジニアの豊田徳視氏は、「このたび新たに開発された部品は、ランクセスの『テペックス』と『デュレタン』による世界初のワンショットハイブリッド成形リアバンパービームというだけでなく、当社のコンポジットシート『テペックス』を使用したアジア太平洋地区で初めての量産車モデルへの採用事例となります」と強調しました。
ホンダのFCV「クラリティ フューエルセル」には、東レの炭素素材が使われていることが先日発表されました。それに続いて今回の発表で、いままでホンダの量産車に採用されていないドイツ・ランクセスの軽量化素材が採用されたことが明らかになりました。
今後、このように自動車の部品供給網(サプライチェーン)がますます国際化・広域化することが予想されます。
(山内 博・画像:ランクセス)