ローム株式会社は、自動車や産業機器向けに48Vの高い入力電圧から3.3Vや5Vなどの低電圧に直接降圧することができる、DC/DCコンバータIC技術を確立したと発表しました。
新開発の技術では高耐圧MOSFETを内蔵。80Vの高い電圧に耐えうる性能を実現するとともに、独自のパルス制御技術によって業界最小のスイッチングオン時間となる20nsを達成しています。
従来は48Vの電圧をいったん12Vに降圧したのち、さらに3.3Vに降圧するために2個のICが必要でした。
新開発のICでは1個のICで48Vから3.3Vに安定して降圧することができる電源システムを実現できます。
ローム社は、新技術を用いたIC製品「BD51180TL」を2016年中にサンプル出荷することを目指しており、今後欧州で進む「48V」化マイルドハイブリッド車向けに各種電子部品を開発する模様です。
新開発の電源ICの特長は次の5点です。
1.業界最小スイッチングオン時間の実現により、安定した電圧降圧が可能
2.電流モード制御により位相補償を簡単に実現
3.高い入力電圧範囲により、幅広いアプリケーションに対応
4.放熱性の高い小型パッケージを採用
5.各種保護機能を搭載し、安全性を確保
日本の自動車部品業界では欧州の「48V」化マイルドハイブリッドに対応した技術開発が続いており、「48V」化マイルドハイブリッドを搭載した新型車の登場が近づいていることが実感できます。
(山内 博・画像:ローム)