これは、ヨーロッパだけでなく自動運転を実現するには欠かせないアプローチですが、自動運転といってもすぐに完全手放しになるのではなく、いくつかの段階を踏んでいく必要があります。
「レベル1」や「フェーズ1」など官民含めた業界用語で言われていますが、手動運転車両(手動運転者)と自動運転車両(自動運転者)が混在するだけでなく、部分自動運転車と完全自動運転車、完全手動運転車が混在するのは間違いないでしょう。
なお、ジャガー・ランドローバーのビジョンは、「手動運転と自動運転を選択可能にすること」。これは、運転することはこれからも楽しくあり続けるという、哲学ともいえるポリシーに基づくものです。当たり前といえば当たり前ですが、自動車メーカーはおそらくこうしたポリシーを貫きそうですが、GoogleなどのIT系がこうした思考を持っているか興味があります。
さらに、同社では「ドライバーは車両による自動運転を選択するか、または調整可能なインテリジェントシステムを通じて、より積極的に運転に関わるかを選択できる」としています。
こうなると気になるのが、多様な運転状態にあるクルマが同じ道路環境下に混在することで、事故への備えも含めて事故の責任をどうするかなど、複雑な問題を解決する策を生み出せるかという点。
ジャガーランドローバーでは、自動運転を実現する多くのセンサーとADAS技術(先進運転支援システム)によってドライバーの管理のもとで車両はより安全な移動手段となりますとしていますが、自動運転と手動運転が混在する中で安全を確保できるのでしょうか。現在の公道実験は、まだまだサンプルとしては少なすぎるからです。
なお、同社のインテリジェント車両は、ライバルと同じく今後10年の間に実用化される見込みとしていて、今年はこれらの技術を実際の道路環境でテストしていく予定とアナウンスしています。
(塚田勝弘)