その前にドアを開けると、「お!」と思うのが、アウターハンドルが従来の前ヒンジから上に引き上げるタイプの上ヒンジ式になっていて、軽い操作感で開けること。
女性や子どもでも楽でしょうし、あるいはネイルなど指先を傷付けたくないなど、そんな方でもスマートに操作できるはずです。
インテリアでは、ダッシュボード中央、中心に配置された8.3インチカラーディスプレイ、そしてメーターパネルの「バーチャルコクピット」が目を惹きます。
中央のディスプレイは、従来型のメーターと横同軸上で、メーターフードとの一体感のあるものから、独立式になっていますから視認性が向上。
その反面、ナビなどを見る必要がない場合でも常に鎮座していますから、視線を妨げるとまでは言えなくても「格納できればな」と思うこともありそうです。
最も先進性を感じさせる「バーチャルコクピット」は、慣れてくると、ドライバーにとってナビの情報はこの12.3インチディスプレイで十分! と思わせてくれる見やすさ。
一方で、8.3インチカラーディスプレイとバーチャルコクピットの2つのディスプレイは、たとえば両方ともナビを表示していると、少し煩わしく感じるほどで、インパネの「見せ方」が少しスマートではないような気もしますし、まだ「見せ方」には改善の余地がありそうです。
それでも、スクエアで短めのシフトレバーやその周辺のコンソールのスイッチレイアウトなどは、たとえばCクラスのCOMMANDシステムや3シリーズのiDriveよりもセンスの高さ、操作のしやすさを実感できるもので、アウディがMMIと呼ぶ操作も先代よりもシンプルかつ、浅い階層で目当ての機能にたどり着く印象を受けました。
質感に関してもやや素っ気ない3シリーズなどよりは色気も適度にあり、このインパネのハイクオリティが購入の大きな決め手になるというケースもありそうです。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)
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