ハイブリッドカーを買う上で最大のメリットといえば、やはり低燃費による燃料代の節約でしょう。
しかし、ハイブリッドの魅力はそれだけに留まりません。たとえば、発進は低速域で力強いトルクを生みだすモーターが担うため、ガソリンエンジンよりもクルマの動きは滑らかで静か。またモーターを動かすための電力を貯めるバッテリーを内蔵しており、その電力はクルマに限らず様々な家電にも使用することができます。
つまり、ハイブリッドは単にお財布に優しいだけでなく、クルマの質感や実用性にさらなる幅をもたせてくれる機構でもあります。
今回は、そんなハイブリッドの魅力を存分に活用したモデルを、しかもお手頃なモデルをご紹介いたします。
■三菱・アウトランダーPHEV
2012年に三菱が販売をスタートしたプラグインハイブリッドSUVが「アウトランダーPHEV」です。
一般的なハイブリッドカーとの違いは“外部充電機能”が備わっている点で、家庭用電源からクルマの内蔵バッテリーへ直接の給電が可能。その電力で60.2km(カタログ値)を走れます。
とはいえ、その航続距離では不安と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「アウトランダーPHEV」にはエンジンも備わっており、バッテリーが不足するとエンジンが始動して発電を開始し、バッテリーへ電力を補給します。
つまり、普通のクルマのようにガソリンさえ入れておけば走るため、電池切れを心配することもなければ、そもそも逐一充電する必要さえないのが魅力。
さらに、バッテリーに蓄えた電力で家電製品を使うこともできるため、アウトドアレジャーのお供にいかがでしょうか?
■ホンダ・CR-Z
ハイブリッドが普及しつつあった2010年に、ハイブリッド×スポーツの異色のコラボで登場したのが「CR-Z」でした。
独特なプロポーションのボディに収まるパワートレーンは1.5L 直4+モーターのハイブリッドで、トランスミッションはCVTだけでなくハイブリッドカーでは初となる6速MTも用意。
注目は2012年9月に実施されたマイナーチェンジ後のモデル。バッテリーがリチウムイオンとなるなどパワートレーンが見直されたほか、モーターの最大アシストを瞬時に得られる「PLUS SPORTシステム」も採用。その走りにさらなる磨きが掛けられています。
■トヨタ・クラウンハイブリッド
「いつかはクラウン」というキャッチフレーズが生まれるほど、高級車として確かな地位を築き上げた「トヨタ・クラウン」。2008~2012年にかけて販売された13代目「クラウン」で初めてハイブリッドモデルがラインナップに加わりました。
そのパワートレーンは3.5L V6+モーターと、小排気量エンジンの補佐としてモーターを使って燃費と動力性能を両立するというより、むしろエンジンのパワーをさらに引き立てるブーストのよう。発進時はもちろんクルージングまで幅広い領域でモーターのアシストが加わることで、高級車の静粛性を際立たせています。
(今 総一郎)