また、昨年秋のマイナーチェンジでは、プリクラッシュブレーキシステム「FrontAssist」と「ポストコリジョンブレーキシステム」を全車に標準装備することで安全装備が強化されています。
「FrontAssist」は、ミリ波レーダーで前方を監視し、先行車との衝突の危険を警告するもので、ドライバーが回避操作をしないとシステムが自動的にブレーキをかけて、万が一の衝突による被害を軽減のもしくは回避を図ることが可能。
「ポストコリジョンブレーキシステム」は、衝突や追突の際、システムが自動的にブレーキをかけて、残存する慣性エネルギーを大幅に減少させ、さらなる二次被害を軽減。
ほかにもさまざまな安全装備などがオプション設定されています。
上級の「Highline」には、新型トゥーランに先駆けてフォルクスワーゲン初となる後席一体型チャイルドシート「インテグレーテッドチャイルドシート」が設定されていて、チャイルドシートとして使わない時は通常のシートとして使えるスマートなものです。
また、トゥーランと同じ1.4LのTSIエンジンが搭載され、最大トルクは10Nmアップし、250Nmとなっているものの、1820kg(Highline)という重量には、発進時や再加速時などはやや力不足と感じさせるシーンもありました。
ただし、街中や首都高速で普通に流れに乗る分には、パワー不足を痛感するというレベルではなく、巡航速度に達すれば直進安定性の高さも手伝って楽にクルージングできそう。
乗り心地はフォルクワーゲンらしくやや硬質で、トゥーランよりもロングホイールベースもあってフラットライドを味わえるのも美点。
セカンドシートは3座席ともに平等というお馴染みの設計。サードシートは身長171cmの私でも実用になる頭上、足元の広さが確保されている印象で、7人フル乗車も短時間であればそれほど無理なくこなせそうですし、5〜6人でロングドライブに出かけるというニーズにも応えてくれるでしょう。
荷室は3列目、2列目、助手席までフラットに格納可能で、3m近い長尺物も積載できるなど、ミニバンに求められる積載性は十分に納得できるはず。なお、価格は「TSI Trendline」が360万円、「TSI Comfortline」が394万円、「TSI Highline」が463万円という設定になっています。
(文/写真 塚田勝弘)