これらに続くのがいわゆる定番人気モデルで、当時から名車とされていた、または人気映画の主人公が乗っていたのと同型といった、より広義のセレブなクルマといえる。近年、価格沸騰が著しい1973年以前のポルシェ911やジャガーEタイプ、あるいはランチア・ストラトスのようなスーパーカーや、W111以降の縦目のメルセデス・ベンツSクラスやシトロエンDSといった高級車、そして007で知られるアストン・マーチンのDB5など、一定以上の評価を得た、一般に認知度の高い人気車種といえる。
その先は徐々に玄人受けの領域、つまりマニア間で「おっ」と思われるような、珍しい部類に入るクルマがある。デ・トマソ・マングスタとかジョルジュ・イラとかスタンゲリーニ1100クーペ・モットとか、名前を聞いてもフツーの人はパッとカタチを思い浮かべることはないであろう、そういうクルマだ。直し好き、というイジり派の旧車好きが楽しんでいるのは、大体この辺りのカテゴリー。先に述べた人気車種あたりだと、一台あたりが高過ぎたりボロボロでも部品取り車にするのは勿体無いというか憚られる、そんなレベルに達しているからだ。