小さな燃料電池スタックで大きな電力を得るには、エンジン車におけるターボのように圧力を高めて空気の供給量を増やす必要があり、「クラリティ FUEL CELL」には高圧縮比・高流量、軽量・コンパクト、静粛性などに優れた新開発の電動ターボ型エアコンプレッサーが搭載されています。
小型ながら従来モデルに対し1.7倍の供給圧力を発揮し、燃料電池スタックの発電性能向上に貢献しているそう。
小型化ではそのほかにも、駆動ユニットの高出力化、コンパクト化も大きく、ボンネットフード下の格納に利いています。
場所を取る高圧水素タンクには、70MPaの充填圧力に対応し、水素透過ゼロを達成したアルミライナー製水素タンクを採用され、従来の約4.0kgから約5.0kgに水素貯蔵量が増加。
そのほかにも、ホンダらしい鋭さを感じさせるエクステリアや「ぬくもりと落ち着き」を演出したというインテリアなど「見た目はスポーティ、中は快適」という内・外装もアピールポイントといえそうです。
パッケージングでは、5人乗りのほか9.5型ゴルフバッグが3セット積載できるトランクも自慢。394Lの荷室容量はCセグメント並ですが、日常ユースなら大きな不満はなさそう。
安全装備では、ミリ波レーダーと単眼カメラによるホンダ最新の「Honda Sensing」が搭載され、衝突軽減ブレーキや渋滞追従機能付ACCのほか、車線維持支援システム、誤発進抑制機能などを用意。
給電関連では、一般家庭のおよそ 7日分の電力を供給できる可搬型外部給電器の「POWER EXPORTER 9000」を、118万円(参考価格、消費税込み)で設定しているのも特徴です。
(文/塚田勝弘・写真/小林和久)