インテリアは最新のゴルフ との共通部品も見られますが、大きな改良を行い、ドライバー中心のレイアウトになっています。
視認性の高い260km/hまで刻まれたメーター類、フルカ ラーのマルチファンクションディスプレイも装備されています。また、イルミネーションも空調も含めホワイトに統一。よりスタイリッシュになった印象をドラ イバーに与えます。
スマートキーを採用しているため、エンジンスタートはボタンにて行いま す。直列4気筒DOHC 1.4リッターターボエンジンは、アイドリングから結構勇ましい低音の効いたサウンドを響かせ、フォルクスワーゲンが言う「ドライバーズミニバン」という 意味がこのようなところからも理解できます。
最高出力は150PS/5000-6000rpm、最大トルクは250Nm(25.5kgm)/1500-3500rpmを発生する新開発ユニットを積むこのクルマは、走り出しから軽快。スっと軽やかに決して小さくないボディを押し出します。
今回の試乗は高速が中心でしたが、短時間の街乗りでは17インチタイヤの影響かやや硬さは気になるものの、そこは、ドイツ車の常。ブレーキも国産車のカック ンブレーキから乗り換えた場合、初期制動の立ち上がりが穏やかなため、軽いタッチではブレーキがあまり効かないと思うかもしれませんが、これも欧州車の常であり、踏めば踏力に比例して制動が立ち上がる自然なフィーリングです。
高速の合流でアクセルを踏み込むと、勇ましい低音を響かせ軽やかに加速。十分速いといえる動力性能の持ち主です。
道路の継ぎ目でもレーンチェンジでもカッチリした剛性感を味わうことができ、流石にフォルクスワーゲンだな…と感じることができます。
高速コーナーでも、ロールは見事に抑え込まれ、路面に張り付いたままフラットに駆け抜けてくれるあたりも、思わず、このクルマがミニバンであることを忘れさせてくれます。
余談ですが、LEDヘッドライトを点灯すると青みのない純白な光線がラインを照らし出しますが、明るさという点ではまだまだディスチャージにはかなわないという印象を受けました。
ユーロNCAPの衝突安全テストで最高評価の5つ星を獲得した「ゴルフ・トゥーラン」。家族の安全を第一に考えながらも、運転の楽しみも忘れていない理想的な一台と言えるでしょう。
(文/写真:外川 信太郎)