新旧同時試乗でわかったCX-3の小さな変更による大きな進化

まずは従来モデルからです。CX-3が登場したときのインプレッションでの2WD車の印象は正直悪かったです。サスペンションのセッティングが硬く、路面からの入力がほぼダイレクトに伝わるほどで、当時のインプレッションでも4WD推しでした。

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赤い従来モデルの2WD車はその当時の印象と全く変わりません。路面からの入力は大きいですし、リアのスタビリティが希薄です。

コーナーではハンドルを切ってから一瞬フロントサスにつっぱり感があり、沈み込みが遅れる感じがします。アクセルのレスポンスは赤信号などからの発進時など、踏んでから一瞬の間があってからトルクを感じました。

すべてほんの一瞬の間なのですが、たしかに人馬一体を掲げるマツダとしては埋めるべき部分だったのかもしれません。

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続いてセラミックメタリックの新型2WD車に乗ります。まず、スタートして感じるのは走り出しが非常にスムーズになりました。アクセルを踏んでタイヤのひと転がりが速いなと感じます。しかも静粛性は格段に向上しています。エキゾーストノートはもちろんですが、車内での会話の明瞭度も相当レベルアップしています。

乗り心地も大きく変わりました。入力が穏やかになるだけでなく、リアタイヤの接地感をドライバーがしっかりと認識できるようになっています。さらにコーナリング時もステアリングの操作に対して、スムーズにフロントサスが沈み込むので、旋回性も相当良くなっています。

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改良後のモデルをひと言で表現すると、スムーズさが際立っています。アクセル、ステアリングというドライバーの操作に対してすべてスムーズかつスピーディに反応してくれるようになりました。

従来モデルの街乗りにおいて硬く、乗り心地の悪さも感じたサスペンションは見事に改善され、これなら2WD車も良いなと感じました。開発者によると、乗り心地は4WDに寄せた訳ではなく、4WDもさらに進化しているとのこと。2WD車の走りの進化を見たら、次は4WD車も乗ってみたいと思いました。

今回の改良は通常の年次改良やマイナーチェンジではなく、あくまでも販売開始してから、ユーザーやメディアの声を受けての商品改良とのこと。年次改良ではどれくらい変わるのか、今から興味津々です。

(萩原文博・撮影小林和久)

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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