400馬力でも十分なのに500馬力!スーパーホットな308R HYBridの驚愕レスポンス【308R HYBrid試乗02】

ところが驚くのはコーナー出口に向かってアクセルを踏んだ瞬間。

トルクのつき方が308GTiとは別物なのです。レシプロのエンジンのように踏み込んだからジワーッと前に出て行くという、あの「刹那のタメ」が一切なく、踏み込んだ瞬間からトンカチで後ろから叩かれたように、電気モーターのレスポンスで加速が始まります。

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それは従来のFFやプロペラシャフトのある4WDではありえない鋭さで、しかも荷重がかかって沈み込んだ後車軸側にもトラクションがかかっていますから、安定感があります。トランク下の遮音材が抜かれていた分、後車軸の金属的な駆動音が車内に入ってきますが。

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以上の話は決して308GTiのトルク・レスポンスが悪いわけではなく、鋭さの質が違う、ということです。でも明らかに308R HYBridでは次のコーナーまでが短く感じます。
鋭いレスポンスは状況を選ばず楽めますが、約400psでもこの規模のサーキットでは持て余すほどでした。

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ちなみにエンジニアによれば、ウェット路面などで荷重のかかっている後輪側にもっとトラクションをかけられたら、もっとバランスがよくなるのだそう。

ところが現在、サプライヤーが用意できる電気モーターが115ps止まりのため、このスペックに落ち着いているのだとか。つまり計500psじゃ足りない!というのです。恐るべしEMP2プラットフォーム。

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このように308R HYBridのバッテリーは、KERSのような加速時のモアパワーを供給するために積まれているわけですが、当然、回生による充電も行います。

アクセルをオフにするとBMWのi3ほどではありませんが、モーターの抵抗がかなり感じられ、前のめりになります。この回生抵抗があるからブレーキ容量は308GTiと同じままでOKだそうです。

そして2/3周もクールダウン走行すると、バッテリー残量はみるみる回復していきます。こうして新たにコーナーを攻められるのです。

じつは、トランスミッションは悪名高いPSAのシングルクラッチ6速セミATをひとまずは流用しているのですが、このイナーシャ抵抗は変速ショックを和らげる効果を担っているのだとか。

つまりクラッチ容量に関しては要増量という、それがゆえの約400ps試乗だったわけです。