4WDは降雪地でその力を発揮するものと思う人は多いと思います。今回北海道にマツダのテストコースで凍結した路面での坂道発進をCX-5のFF車と4WD車で行いました。
CX-5に搭載されている4WDシステムはi-ACTIV AWDというシステムで、一般的な4WDはスリップしてからエンジンのトルク配分を変化させるのですが、このi-ACTIV AWDは常にセンサーが路面状況などを監視して、スリップする前にトルク配分を最適化してくれるシステムです。
4WDは燃費が悪いから──と敬遠人もいるかもしれませんが、4WDシステムの小型化、軽量化によって今回テストで使用したCX-5 XD Lパッケージで比較すると、JC08モード燃費はFF車が18.4km/L、4WD車が18.0km/Lとわずか0.4km/Lしか変わらないのです。
この坂道発進は冬の朝の凍結した立体交差などをイメージしてください。
まず、4WD車からです。坂道で止まって再スタートをする際発進が一瞬遅れたように見えますが、実際に運転してみると、実にロス無く、スムーズに発進しました。続いてFF車に乗って再スタートを試みましたが、フロントタイヤはただ空転を繰り返すだけで、全く動きませんでした。
都心に住んでいる人でも降雪地に行く人はこの時期スタッドレスタイヤに履き替えていますが、降雪地に行かないという方は私も含めて1年中サマータイヤでいることでしょう。
東京でも冬の朝ならば、このような路面凍結はそれほど珍しいシーンではないですし、ちょっとでも雪が降ればすぐに交通麻痺になるのが都心の特徴です。
冬のためにスタッドレスタイヤを買うのは……と思う人は万が一に備えて4WDを買っておくというのはどうでしょう。最新の4WD車は重量増も、燃費も悪化もかなり推させられていますし、手放すときのリセールバリューが高い場合だってありますよ。
(文:萩原文博/撮影:前田惠介)