WRX STIと同様の、ハイグリップな245幅タイヤを与えられたスポルヴィータの走りは、当然ながらコーナリングに標準車との違いを大きく感じます。マルチモードVDCといった電子制御のおかげもあり、公道で許される速度域では、まさにオンザレール感覚で、ステアリングを切れば、切っただけ曲がっていくといった気持ちよさを感じます。
そのフィーリングアップに、マリオ・レヴィのレザーインテリアはおおいに貢献しているのも、この特別仕様車の特徴といえそうです。
セダンとしては重め(スポーツカーとしては標準的)なパワーステアリングと、厚さを感じさせるレザーステアリングのマッチングは、走り味における進化も感じさせます。さらに、レザーシートは適度な固さが体をホールドするもので、シートバックではしっとりとした面で吸いつくと同時に、角ばったサイトサポートが旋回時には点で体を支えてくれるといった感触が味わえます。
とはいえ、スポーティな245幅のタイヤ(ダンロップ・スポーツマックス)のパターンノイズが大きいことは気になるところ。ブラックとタンをコンビネーションしたレザーインテリアや、高艶ベロアメッキのWRXサイドエンブレムといった上品なアイテムと、タイヤが生み出す賑やかなノイズが、ゆったりとクルージングしているときに、どうにもアンマッチと感じるのでした。