今回、「プロトタイプ試乗会」と銘打ち、「Toyota Safety Sense P」の同乗および体感試乗、富士スピードウェイ内の外周路走行、同サーキット内のショートサーキットでの試乗などが行われました。
ドアの閉まり音から上質さを追求したという新型プリウス。
確かにドア閉まり音、閉めた後の静粛性は現行型と乗り比べると感じられるもので、走り出しから上質な乗り心地や静かさが伝わってきます。
しかし、プリウスの価格帯では「なかなか上質」という条件付きで、当然ながらクラウンのような隔壁感を味わえるわけではありません(念のため)。
外周路での走行では、試乗前に60km/h以下での走行という注意事項がありましたが、街中での走行を探るにはうってつけ。ただし、路面の舗装状態が良好なので乗り心地は割り引いて考える必要があるかもしれません。
現行型よりも明らかに進化しているのはパワステのフィーリングで、手応えがありつつもフリクションを感じさせないスッキリとしたもので、現行型がグニャリとした手応えで走りの感覚をスポイルしていたのが劇的に向上。
リヤサスペンションがダブルウイッシュボーンになり、乗り心地の向上が期待されるところですが、外周路に意図的にゴムばらまかれた評価路(路面の凹凸を誇張した路面)ではボディのしっかり感は現行型(1万5000km程度走行)から明らかに高まっていました。
プリウスは高速やワインディングなどシーンを問わない走行が想定されますが、メインは街中や郊外となるはずで、スポーティな味付けではありませんが、信頼できる走りからは現行型からでも乗り替える価値はありそうです。
(文/塚田勝弘 写真/冨士井 明史)