しかし、決勝が始まると、ロケットスタートを決めた谷川選手が初盤でフィットⅡ勢を2台抜き3位にジャンプアップ、その後立て続けにセイフティーカーが入り、そのタイミングでドライバー交替のピットイン。燃費に優れるディーゼルデミオは、このときは無給油でピットアウトしストップ時間の短縮に成功。順位キープのまま復帰します。
野上達也選手は順位を落とさない走りの期待に応え安定ペースを維持します。その間ピットタイミングで2位に浮上。再び谷川選手につなぐことに成功します。
谷川選手とディーゼルデミオは一時トップに立つなど素晴らしい健闘を見せました。燃費と速さのバランスが絶妙なところまで来ていたようです。しかし、最後のピットインを終えたフィットⅢ勢の猛追は凄まじいもので、ライバルの69号車からは1周差、そしてラスト2周で2号車にも抜かれてしまいます。
しかし、デミオディーゼルが表彰台に上がれるという瞬間。チェッカーを待つチームスタッフはフェンスを飛び越えんばかりの興奮に包まれ谷川選手とディーゼルデミオを迎えました。
人から見れば馬鹿げているといわれるかもしれないクリーンディーゼルによるスーパー耐久チャレンジ。TEAM NOPROとデミオSKYACTIV-D「DXLアラゴスタNOPROデミオSKY-D」はそんなチャレンジに表彰台という結果を残しました。
今回の鈴鹿戦を俯瞰してみると、もう少し熟成を積めば優勝も視野に入るのではないかと考えてしまいます。これは来年度のお楽しみ、といえるかもしれません。
(写真・文:松永和浩)