ボルボが採用しているアイシンAW製のオートマチックには、8ATもありますが、今回のV40 T3には6ATが組み合わされています。
V60に積まれている8ATとXC60に搭載されている従来型6ATよりも約16%、重量にして約15kgも軽量化された新6ATは、重量80kgと8ATの94.9kg、従来型6ATの95kgと比べても大幅に軽くなっているのが分かります。
またV60の6速DCTと比べても、新6ATは約11kg軽くなっています。8ATも6ATもシフトショックもほとんど感じられず、フィーリング的には6ATでも何ら不満ありませんから、あとは燃費がどうなるか。
また、8ATから6ATになることでどれだけコストカットになるか分かりませんが、普通に考えると少ない方が安くすみそう。
トランスミッションによる燃費の差は公表されていませんので、従来型のV40 T4(1.6L直噴ターボ+6DCT)の16.2km/Lと、新6ATを積んだV40 T3の16.5km/Lを比べると0.3km/Lですが新6AT搭載モデルが上回っています。
もちろん、エンジンそのものが違いますし、8ATと6ATの比較も手元にあるデータでは車種が違いますので単純な比較はできませんが、先述したように少なくても6ATでもフィーリング的には問題ありませんし、Dレンジで走っている分には何速のATなのかほとんど分からないでしょう。
また、V40 T3はATだけでなく、車両重量(公表値)でも大幅に軽くなっていて実際の走りからも感じられます。
V40 T3の前軸重は910kg、後軸重は570kg、車両重量は1480kg。ディーゼルのV40 D4は前軸重が960kg、後軸重は580kg、車両重量は1540kg。
2.0Lガソリンターボを積むV40 T5は、前軸重が930kg、後軸重は580kg、車両重量は1510kgです。
軽さはフットワークや乗り心地だけでなく、燃費にも直結しますから、軽さを武器にしたV40 T3はこの点からも「ベストV40」といえる仕上がりになっています。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)
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