萩原 文博 
試乗車はスズキアルトX、トヨタアクア1.5Sでアルトの車両重量は650kg、アクアは1080kgと約400kgの差があります。一方の最高出力はアルトが38kW（52ps）、アクアが54kW（74ps）と約20馬力の差があります。この差がどれくらい燃費に影響を及ぼすのでしょうか。
アクアとアルトの燃費の推移ですが、最高速度の最も低い首都高のセクションでは燃費差は非常に僅差でしたが、最高速度が速い東北道には入ると２台の燃費計はどんどん差が付きました。300km走行した結果はアクアが29.1km/L、アルトが25.7km/Lとなりました。
両車でこれだけの差が付いたポイントは２点あります。一つは東北道や常磐道などの速度域の高い高速道路での燃費。そして渋滞時の燃費です。今回のテストでは首都高で２回渋滞に巻き込まれました。特に帰りの首都高の渋滞は10kmを超えるもので、これが明暗を分けた要素の一つでした。
両車ともアイドリングストップ機構は着いているものの、アルトはどうしてもエンジンが掛かっている時間が長くなり、燃費はみるみる悪くなりました。一方のアクアはバッテリーが充電されていれば、EVモードで走行できるため、渋滞時の燃費の落ちはわずか0.6km/Lと少なく抑えることができました。
カタログ燃費は同じでも今回のテストによる実燃費では3.4km/Lの差が出ました。高速走行が長ければもっと差が付き逆に一般道など速度の低い走行が多ければこの差はもっと縮まる可能性があります。
同じエコカーでも、得意、不得意があるので自分の走行シーンをキチンとイメージして選ぶ必要があります。
（萩原文博／撮影・小林和久、萩原文博）
