これまでと真逆の「音」にこだわったスバル・BRZ tS

そんな「BRZ tS」ですが、注目ポイントは走りの性能だけじゃありません。前バージョンからの進化として、とある“見えない部分”にもこだわっているのです。

STi BRZ tS 044

それは音。エンジン音とか排気音なんて普通じゃん?と思うかもしれませんが、そうじゃありません。スポーツ系のコンプリートカートしては普通じゃない部分です。

野太い排気音や甲高いエンジン音ではなく、まったく逆の「静粛性」なのです。実はノーマルのBRZよりも走行ノイズが静かなんですよ。びっくりでしょ?

なんと、このBRZ tSはなんと内装にインシュレーター(遮音材)が追加されているんです。追加された場所はインパネの裏側、ドアの内部、そしてトランクトリムの裏。キャビンを効果的に覆うことで、ロードノイズを低減しようってわけです。

STi BRZ tS 009

ええ、言いたいことは分かります。「走りを磨いたコンプリートカーなのに遮音材を追加して車重を重くするなんてどうなっているの?」ですよね。「けしからん!」という人もいるかもしれません。

開発陣だって一部の人からそう言われるのは百も承知。だけどこの「tS」が狙っているのは単に走りの性能を向上するだけではなく、快適性も考えた大人のスポーツカーを作り上げること。遮音材の追加による静かな車内造りは、その方向性を端的に表している部分なのです。

まさかとは思いますが、アナタはまだ「静かなスポーツカーなんてありえない」とか思っていませんよね? そんなの常識は21世紀の今ではもう通じません。スポーツカーが騒がしくてナンボなんて、今では当然のETCがまだ珍しかった時代のスポーツカー論ですよ。

STi BRZ tS 001

最後に、このBRZ tSを欲しいと思ったあなたにもうひとつ大切な情報をお伝えしましょう。

受注締め切りはまだ1カ月先の10月12日ですが、キャッチした情報によると残りは販売店での在庫のみとのこと。つまり、欲しいならもう後がないってことです。急げ!!

(工藤貴宏)

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この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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