SUPER GTと併催のFIA-F4で最年少・16歳の小高一斗選手が凄い!【SUPER GT2015】

FIA-F4というカテゴリーのレースシリーズをご存知でしょうか?

世界自動車連盟(FIA)が新たなエントリーフォーミュラカテゴリーとして提唱し、日本では今シーズンから全戦がSUPER GTとの併催として開催されています。

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 FIA-F4の規定に基づき、ほとんどが国内で生産されたフォーミュラーマシンを使って争われるこのシリーズは、全車が全く同じスペックであるために、ドライバーの技量がはっきりした差となって現れる、かなりシビアなレース。2011年のSUPER GT GT300クラスチャンピオンをもってしても中段の順位に埋もれてしまうほどレベルの高いレースとなっています。

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そのFIA-F4に出場するドライバーの中で最年少なのが16歳の小高一斗選手。今年の開幕戦である岡山戦ではまだ16歳になっていなかったので出場できず、第3、4戦の富士ラウンドからのエントリーとなっています。

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現在のJAFのライセンス規定ではレーシングカートで優秀な成績を収めてJAFから認定を受けた選手が16歳以上になるとフォーミュラーマシン限定で国内A級ライセンスの取得が可能となる制度があり、小高選手はその制度でFIA-F4に出場しているのです。

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パドックでは屈託の無い笑顔を見せる小高選手ですが、スターティンググリッドでは真剣な表情。年齢の関係ない戦いの世界に身を置く者の目つきとなります。

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出場チームは名門TOM’S SPIRIT。レースクイーンはMobil 1からAkiraちゃんが立つなど、チームの期待値の高さがうかがい知れるスターティンググリッド。

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実際にレースを走ったらどうなのか?

小高選手のデビュー戦となった第3、4戦の富士でこそ予選順位は26位、20位と低迷しましたが、決勝では10位、13位と大きくジャンプアップ。

第5、6戦も富士。ここでは決勝6位、5位と、本来の実力を発揮しつつある印象を周囲に与えていました。

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そして8月29、30日の鈴鹿1000kmと併催された第7、8戦はいよいよ真価を発揮してきました。

29日の夕方に行われた第7戦では、予選順位5位。トップ集団に続くセカンドグループでの4位争いの中で目まぐるしく変わる順位の中、超接近戦ながら集団からこぼれることなく6位でフィニッシュ。

30日の朝に行われた第8戦。この日も予選順位は5位。序盤に形成された1~3位トップ争い集団と4~7位のセカンドグループの中で、セカンドグループで終始5位をキープしていた尾高選手ですが、中盤で4位を一度パスするも、次のコーナーで抜き返されてしまいます。

大抵のドライバーならここで順位を確定させる安全策をとりますが、さすが16歳のヤングパワー。その先のスプーンコーナーで4位の選手をもう一度抜きにかかり、見事にパスしてセカンドグループを抜け出し、3位争いのトップ集団にジリジリと迫っていったのです。

もう少しで3位に追いつくといったところでチェッカーフラッグとなり、小高選手は4位でフィニッシュ。表彰台まであと一歩というところまでやってきました。

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 16歳、それもフォーミュラーマシンでのレースのデビューイヤーにしてトップ集団に食い込んでいく実力を持った小高一斗選手。これから先が楽しみな超逸材ではないでしょうか?

そんな彼のレースを実際にこの目で見てみたいという方は、9月19~20日にスポーツランドSUGOで開催される「2015 AUTOBACS SUPER GT Round 6 SUGO GT 300km RACE」に行きましょう。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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