もともとドリフト車製作のノウハウがほとんどなかったトラストチームですが、意欲的にパーツを製作するなどして戦闘力アップを図ったこと。そのいっぽうでトラストはGT-Rのパワーチューン自体のノウハウは持っていたので、心臓部がトラブルを起こすことはなかったこと。そして、ドライバーの川畑選手が、運転だけでなくパーツ開発の面でも高いスキルを持っていたことです。
また、さすがに高価なスーパースポーツカーであるGT-Rは、ボディ剛性ももとから高く、エンジンのポテンシャルはピカイチ。そこが高い戦闘力につながっていました。
今年1月の東京オートサロンでのエキシビションマッチ「Kick Off Drift」でも圧倒的な強さを見せたGT-Rは、その後も多少アップデートを受けつつ、2015年を戦いました。シーズン開幕戦で「目標は全戦優勝」といっていた川畑選手ですが、あながち不可能でもない戦闘力を持っていたといえるでしょう。
最大のライバルともいえる斎藤太吾選手が、アメリカの大会に出るために1戦欠場したという幸運もありましたが、ときおりムラッ気を起こして早期敗退した斎藤選手に対して、川畑選手はマシントラブルを起こした第4戦をのぞけばすべて3位以上に入っているという安定感でした。
1台のマシンがあまりにも強すぎるという状況は、一見モータースポーツにとって好ましい状況とはいえないように思えますが、1台が独走してしまうとてんでつまらないレースとはちがって、D1GPの場合には最強ドライバーの走行のたびに、ものすごい追走が見られるという楽しさがあります。そういう点で、けっしてつまらないシリーズ戦ではなかったといえますね。
D1GPはあと1戦残っているので、ぜひ超絶接近ドリフトをナマでご観戦ください。最終戦は10月24日(土)に東京・お台場で開催されます。
なお、このD1GP第5戦の模様は、9月26日(土)発売の「ビデオオプションDVD Vol.259」に収録されます。詳しくはこちら(http://www.v-opt.co.jp)からどうぞ。
また、D1GPの詳しい情報はD1GPオフィシャルサイト(www.d1gp.co.jp)からどうぞ。
※PHOTO:サンプロス
(まめ蔵)