ZFではアクティブ・キネマティック・コントロール(Active Kinematics Control=AKC)と呼ぶ、後輪操舵のシステムは、すでにポルシェ911やアウディQ7に採用されています。
時速60kmを境に、低速では前輪と逆向き、高速では前輪と同方向に後輪をステアします。もちろん助手席の人が、ではなくコンピュータで制御されたアクチュエータがやってくれます。
911にとってはサーキットのラップタイムを稼ぐために有効で、Q7に対しては、大柄な車体の取り回しを良くし、高速での安定した走りに貢献します。
この2台に搭載されているということは、後輪上にエンジンがあったり、4輪駆動だったりの搭載が難しそうな車両にもマッチングすることを意味しています。
4輪操舵といえば、80年代後半、プレリュードやカリーナEDなど日本車に一部に採用されて、画期的であったものの一般には流行らなかった装備のようにも思われている一面もあります。けれど、安全に対しての機運や要望が高まった現在、次の一手として後輪をステアさせるのが流行していくのかも知れませんね。
(文・写真:clicccar編集長 小林 和久)