電器大手のパナソニックとオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、カーナビゲーションシステム(以下、カーナビ)やディスプレイオーディオなどの表示画面に適した「静電容量方式 曲面タッチパネル」を量産すると発表しました。
スマートフォンやタブレットでは、画面に触れるだけで操作できる静電容量方式のタッチパネル(以下、静電タッチパネル)が当たり前になっていますが、今回の静電タッチパネルの量産により、カーナビやカーオーディオ、さらにはインパネでもスマホと同様の操作を行う時代がくる可能性があります。
同社が量産化を発表した静電タッチパネルは、樹脂製カバーパネルと高感度フィルムセンサを一体化した曲面タッチパネルで、車内のデザイン性を向上させることが可能です。
しかも入力スイッチ類を簡単に実装できる穴あき成形やカバーパネルを一体化する構造を採用し、カーナビなどの設計を簡素化できるという利点があります。
また、手袋での操作やマルチタッチ対応が可能な高感度フィルムセンサが採用しているので、車載機器の操作性を向上できるとしています。
いまやスマホやタブレットでは、画面を指で触れてスクロールするスワイプや、2本の指で表示を拡大・縮小するピンチイン・ピンチアウトがどこでも見かける日常の操作になっていますが、今回の静電タッチパネルの量産化が、自動車のカーナビやディスプレイオーディオにもスマホと同様の操作性が普及するきっかけになるかもしれません。
また、パナソニックは車載分野を次代の経営の柱にする考えで、今回の静電タッチパネルの量産化により同社の車載分野傾斜が鮮明になったかたちで、業績改善につながるかが、注目されます。
(山内 博)