こちらは、改良前から劇的に改善した感じは受けませんでした。毎日乗っているオーナーなら気がつくかもしれません。
純ガソリン仕様と比べるとバッテリーなどを積んでいる分、確かに重心の低さを感じさせますが、逆に何か思い余計なモノを積んでいると感じさせる旋回性になります。
駆動用バッテリーは1列目の足元から2列目の足元床下に配置されていますから、ホイールベース中央よりもやや前の位置にあり、ヨー慣性モーメントを劇手に悪化させる位置とはいえなくても全体にクルマが重いのは明らか。
ただし、EV走行が可能なPHEVは、エンジンが始動しなければスルスルと静かに走りますから、静粛性の高さやプラグインハイブリッドシステムの制御に注意が向き、こうしたフットワークの面までは意識が向きにくくすむのもありそう。
燃費面では、ハイブリッド燃費を1.6km/Lから20.2km/L、モーター効率の見直しで充電電力使用時の走行距離を0.6km/L高めて16.0km/Lとするなど、PHEVを買う人にとっては無視できない小変更が施されています。
いずれにしても、純ガソリン仕様、PHEVともに乗り心地や操縦安定性を向上させたのは朗報。
PHEVという「ほかにはあまりない」システムだけでなく、家族で乗ったり、ゲストを迎えたりするクルマとして魅力が高まったのは、PHEVというキーワードに引き寄せられていた層以外にも訴求できるSUVに仕上がったというわけですから。
■三菱アウトランダーは、PHEVよりも純ガソリン車の方がオススメ?
https://clicccar.com/2015/08/14/321743/
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)