ステーションワゴンをSUV風に仕立てたモデルといえば、レガシィ・アウトバックやボルボXC70、アウディのオールロードクワトロ(A4とA6に設定)があります。
今回登場したゴルフ・オールトラック(Golf Alltrack)は、ゴルフ・ヴァリアントがベースで、全高は25mm、最低地上高も25mm高くなっています。
全長4580×全幅1800×全高1510mm、ホイールベース2635mmで、全長と全幅、ホイールベースはヴァリアントと同値。
ちなみに、スバルのレガシィ・アウトバックは、全長4815×全幅1840×全高1605mmですからサイズ的にも車格的にも次期パサート・オールトラックがライバルになるはずですが、ゴルフ・オールトラックの価格は347万円〜367万円と、レガシィ・アウトバックの313万2000円〜340万2000円(現在は在庫のみの販売。一部改良が近い?)と価格面ではライバルになり得る設定となっています。
アウトバックは2.5L+CVT(リニアトロニック)の組み合わせで、AWDのみとなりますが、ゴルフ・オールトラックもフルタイム4WDのみ。
アウトバックの2.5L NAエンジンは、最高出力175ps/5800rpm、最大トルク235Nm/4000rpmという実力で、1.8L TSIエンジンのゴルフ・オールトラックは、180ps/4500-6200rpm、280Nm/1350-4500rpm。
まだゴルフ・オールトラックに試乗していないのでスペックの比較しかできませんが、スペック的に上回るだけでなく、6速DSGとの組み合わせで、1540kgに収まるゴルフ・オールトラックの方がひと回り大きく、約300kg以上も重いレガシィ・アウトバック(1845〜1855kg)をドライバビリティの面でも超えてくるのは容易に想像がつきます。
荷室容量はレガシィ・アウトバックが559L、ゴルフ・オールトラックはヴァリアントと同じ605L〜1620Lですから、サイズの小さな後者が優位に立っています。
レガシィ・アウトバックの利点は、14.6km/Lというカタログ燃費とレギュラーガソリンを指定する点で、ゴルフ・オールトラックも14.7km/Lとほぼ同値ですが、当然ながらハイオク指定になります。
ほかにも大柄なボディを活かした居住性、とくに後席の広さはアウトバックのアドバンテージとなります。
逆に取り回しや駐車のしやすさなどでは、アウトバックのボディサイズが大きい点に加えて、アウトバックの最小回転半径も5.5mと、5.2mのゴルフ・オールトラックを比べるとゴルフ・オールトラックに分があります。
安全装備では最新の「アイサイト3」を搭載するアウトバックに対し、ゴルフ・オールトラックもプリクラッシュセーフティや全車速追従機能付ACC、さらに「Upgrade Package」も選べばレーンキープアシストも装備されますから、価格面ではアウトバックの方が安価ですが、装備面では内容の違いこそあれほぼ互角といえる状況になります。
(塚田勝弘)