ハイパワーだけでは今の時代通用しませんから、直噴化はもちろん、気筒休止システム、アイドリングストップももちろん搭載されています。
タイヤは横浜ゴムの「アドバン・スポーツ」の265/35R20で、サスペンションはアダプティブエアサスペンションスポーツというS7に標準装備の足まわりで、引き締まった硬めの乗り味ですが、1475万円(試乗車)という価格にふさわしくあくまで上質。凹凸を乗り越えた際のショックをすぐに、即吸収してボディの揺れを抑える感じ。
こちらでも紹介したA7スポーツバック同様に、いつの間にか驚くような速度域に達しているという次元に到達しています。
333ps/5500-6500rpm、440Nm/2900-5300rpmのA7と比べると、アクセル開度を抑えていてもグイグイと進む力感は圧倒的で、S7にはリヤスポーツディファレンシャルが用意されますから、コーナリング時の旋回性も圧倒的に高く、高速域でも少ない操舵でコーナーをクリアしていきますから速度に注意しつつも、楽に高速巡航をこなせる印象。
ほかにも、ステアリングへの介入により車線内にとどまるアクティブレーンアシストやアクティブクルーズコントロール、後方からの接近車両を知らせてくれるドアミラーのサイドアシストなどが標準装備されますから、高速域でのロングクルージング性能こそが最大の魅力です。
日本ではそのパワーをすべて解き放つにはサーキット以外ありませんが、秘めたる圧倒的なパワーを感じながら悠々と高速巡航を楽しむ。
S7スポーツバックは、そんなニーズに、クールな雰囲気の内・外装とフルタイム4WDのクワトロシステムなどが応えてくれます。
■アウディA7スポーツバックの安定感の走りは高速ロングクルージングも余裕綽々
https://clicccar.com/2015/06/06/311004/
■ハイパワー化されたアウディA7、S7、RS7 Sportbackが登場
https://clicccar.com/2015/04/13/302536/
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)