密着取材をして見えた スバル優勝六つの理由【第1章】

①ノートラブルのレース展開

レースを生中継等でご覧になった方はご存知だと思いますが、今回のWRX STIの24時間レースは実に“何も起こらなかった”レースでした。

24時間レースを走ったあとのレーシングカーといえば、ボディの傷や破損したカウル、時にはガムテープで補修されたボディといったマシン状況を想像します。

ところがレース翌日、ファクトリーに帰ってきたWRX STIをじっくりと見ることができましたが、24時間走行後とは思えないくらいきれいな状態だったのです。

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実際のところはレース中盤、フロントブレーキまわりからの微振動が発生しているとのインフォメーションがドライバーからあり、懸念材料となっていたことは確かです。

また、スロー走行するGT3マシンを追い抜く際に、進路変更した相手のフロントホイールとWRX STIのリアホイールが接触。幸いにも大きなトラブルとはならず、ホイールのリムに傷が付いた程度で走行を継続することができました。

目についたネガティブ要素といったらこれくらい。

著しい破損や各パーツの耐久性に起因するダメージなく走り切れたことは当たり前なことではありますが、耐久レースに勝つにあたって重要であり、それを達成できたことは極めて稀有な出来事だったと言えるでしょう。

特に、レース中盤にクラッシュし、それに起因するドライブシャフトや足廻りの破損による長時間のピット作業を余儀なくされた昨年のことを考えれば今年のレースはまさに夢のような展開でした。

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急に降りだす雨にも安定した走行を継続。さすがAWDの実力です。