第1戦の単走決勝で優勝したのは平島明選手。
まだD1GPではほとんど注目されていなかったドライバーです。でも私はD1SLも取材しているので、このひとの実力は知っていました。2013年のD1SLシリーズ2位のドライバーです。
去年D1GPにステップアップしたのですが、クルマのセットアップがよくなかったのか、ちゃんと姿勢を作ったあとも挙動が乱れることが多く、ぜんぜん実力を発揮できていませんでした。それが本人もわかっていたようで、シーズンオフに本番車で走り込み、練習とセットアップを重ねてきたようです。
じつはこのひと、恵まれた環境にあるんです。お父さんが徳島カートランド(ドリフトも可能)の経営者なんですね。だからサーキットをよく走ってるんです。趣味でカートもやったりするそうです。
そのおかげもあって、やはり操作は正確。スピードののせかた、維持のしかたもわかってる感じだし、クルマのコントロールがとにかく上手い。第1戦はわずかなラインミスでクラッシュしてしまいましたが、やっと実力を発揮してきた感じです。
そして藤野選手と平島選手のふたりが対戦したのが日曜日のエキシビションマッチ。再戦までもつれましたが、さすがに藤野選手のほうが一枚上手で、いままで見たこともないような寄せかたで距離を詰めて勝ってみせました。しかし、平島選手は追走もけっこう練習しているそうなので、今季は活躍が期待できます。
昨年も松川選手、高山選手、松井選手、横井選手らが初優勝し、フレッシュな顔ぶれが活躍したD1GPですが、今季も藤野選手や平島選手らの躍進で、新風が吹き荒れそうな気配です。
もっとも第1戦は川畑選手が優勝、エキシビションマッチは斎藤選手が優勝と、ガチガチの結果ではあったんですけどね。
(まめ蔵)