D1GPに無名の達人が登場!TOKYO DRIFTで川畑を脅かした伏兵は何者か!?

で、この藤野選手とは何者か?

じつは初年度から2003年くらいまではD1GPに出てたんですね。その頃はたいした成績は残せずに参戦を休止しています。その後D1ストリートリーガル(D1SL)が始まってから、そちらに参戦。何度も決勝に勝ち上がりますが、その頃は天才・中村直樹選手の全盛期。そのたびに優勝を阻まれます。そして2013年の第1戦でやっと初優勝を遂げてD1SLへの参戦を休止しました。その後は他のイベントに参戦していて、昨年チャンピオンを獲っています。

でもね、そういう成績じゃ把握できないくらい、このひとは上手い。じつは藤野選手は、D1GPで二度チャンピオンを獲得した川畑選手の走り仲間で、間瀬サーキットを舞台に、マシンづくり、セッティング、そして運転とさまざまな研究と練習を重ねてきたドライバーなんです。

おそらくD1SLへ参戦してた最後のころから、この2年間でそうとう腕を上げたんでしょう。ふだんの走行会や練習では、川畑選手と互角だというのだから、事実上日本のトップレベルの実力があるといっていい。今なら中村直樹選手にも負けないんじゃないかな? なお今回は、仲間内の酒の席で「D1出るか!」とノリで話が決まって参戦してきたそうです。

という話を川畑選手から聞いていたのですが、それでもここまでやるとは! スピードは高いし操作は正確。そして相手に対応する柔軟性もバツグン。このひとユニークなところは、すごくテンション低いんです。調子をきくと、たいてい「ぜんぜんダメです」と暗い顔で答える。でもD1GPで実力を発揮できたということは、自信もあったんでしょう。D1GPに突然現れたトップドリフターです。

2015D1GP_Rd103

ただ、この藤野選手、プライベート参戦で、資金も潤沢じゃないんですね。D1SLのときも遠くのラウンドは出なかったくらいですから。今年のD1GPもスポット参戦で、出られる所だけ出るそうです。だからシリーズ争いにはからまないかもしれないけど、対戦したらそうそう勝てる相手じゃないようです。ぜひ次のときは注目していただきたい。

そして、もうひとり第1戦で突如活躍したドライバーがいます。

この記事の著者

まめ蔵 近影

まめ蔵

東京都下の農村(現在は住宅地に変わった)で生まれ育ったフリーライター。昭和40年代中盤生まれで『機動戦士ガンダム』、『キャプテン翼』ブームのまっただ中にいた世代にあたる。趣味はランニング、水泳、サッカー観戦、バイク。
好きな酒はビール(夏場)、日本酒(秋~春)、ワイン(洋食時)など。苦手な食べ物はほとんどなく、ゲテモノ以外はなんでもいける。所有する乗り物は普通乗用車、大型自動二輪車、原付二種バイク、シティサイクル、一輪車。得意ジャンルは、D1(ドリフト)、チューニングパーツ、極端な機械、サッカー、海外の動画、北多摩の文化など。
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