なお、「メルセデス・マイバッハ Sクラス」は、前モデルのように六本木の直営ショールーム(現在は廃止)で購入するのではなく、ほかのメルセデス・ベンツのように全国の正規ディーラーネットワークで注文を受け付けるそうです。
さて、1920年代のマイバッハといえば、マイバッハ社による流麗な線を描く美しい高級車であり、2002年に当時のダイムラー・ベンツにより復活を果たすものの、一般的な知名度のせいなのか消滅。今回、「メルセデス・マイバッハ」のブランド名となり、知名度抜群のベンツブランドの傘下でまた生まれ変わったことになります。
「メルセデス・マイバッハ Sクラス」のエクステリアは、メルセデス・ベンツ「Sクラス」のフロントマスクをはじめ、クーペを思わせる流麗なフォルムはそのままに、「Sクラス」のロングモデルよりさらにホイールベースを20cm延長。
リヤのドア幅が66mm狭くなり、Cピラーに三角窓が移設され、ドア開口部より後方にリヤシートが位置することで、車外からの視線を遮りながら心地よい居住性が確保されているのはショーファードリブンらしい設計といえるでしょう。
Cピラーには、丸みのある三角形の中に2つのMをあしらわれた「Maybach Manufaktur(マイバッハ・マヌファクトゥーア)」のエンブレムを装着。
また、足元では専用の20インチ鍛造アルミホイールが重厚感のある輝きを放っています。
安全装備では、ステレオマルチパーパスカメラとミリ波レーダーセンサーなどから構成される車両の周囲360度をカバーする複合的なセンサーシステムからの情報を統合し、人間の頭脳のように即座に最適な判断を下すことが可能だそうです。
フロントウインドウ内側のステレオマルチパーパスカメラは、車両前方最大 500mの範囲の大まかな様子をモニターするほか、約50mの範囲を立体的に捕捉。
また、フロントとリヤバンパー左右側面の25GHzの短距離レーダー、ラジエーターグリル奥の77GHzの中・長距離レーダー、リヤバンパー中央の25GHzマルチモードレーダーの合計6個のミリ波レーダーが悪天候や夜間の視界の悪い状況でも車両周囲を常にモニターします。
これらの装備により先行車両、横切る車両、後方車両、対向車、歩行者などを検出し、その位置を特定し、状況を判断して、アクセルとブレーキ、ステアリングを自動でアシストする「部分自動運転」を実現していると訴求しているのも見どころ。
この部分自動運転は、「レーダーセーフティパッケージ」として導入され、同パッケージは、前方車両との車間距離を維持しながら追従しつつ、車線のカーブにあわせてステアリング操作のアシストを行う「ディストロニック・プラスをはじめ、前方を横切るクルマや歩行者の飛び出しをディスプレイと音で警告し、ドライバーがブレーキを踏むと衝突を回避するための強力な制動力を発揮する「BAS(ブレーキアシスト)プラス」、ドライバーが警告に反応しない場合に自動緊急ブレーキを段階的に作動させる「PRE-SAFEブレーキ」を用意。
さらに、後方からの衝突の危険を検知すると後続車に警告するとともにブレーキ圧を高めて自車をロックし二次被害を軽減する「リヤCPA(被害軽減ブレーキ付後方衝突警告システム)」などの多彩な最新の安全運転支援システムから構成されています。
ラインナップは、4.7L V8直噴ツインターボを積む「メルセデス・マイバッハS550」の2200万円、6.0L V12ツインターボの「メルセデス・マイバッハS600」の2600万円で、ともに左ハンドルのみの設定です。
(塚田勝弘)