仏Valeoがコンセプトカー並みの小型ドアミラーを実現?

ドアミラーの場合、雨天時には雨粒が付いたガラス越しでの後方確認を余儀なくされますが、提案システムでは車内モニターに後方映像を映し出すことで視認性が向上。

Valeo 出展 Valeo(原理モデル)

車両側方への突起量や上下幅が縮小可能となり、カーデザインの自由度が高まると共に、エアロダイナミクスが向上することで燃費向上や風切り音低減に寄与。

また、狭い道でのすれ違いや駐車時の接触防止に繋がり、メーター内にコンパクトなモニターを組み込めば運転中の視線移動も最小限に。

フレームレートが高い最新のメガピクセルイメージセンサを搭載しており、高速走行時もクリアで高画質な映像を実現、夜間の視認性も大幅に向上するとしています。

TOYOTA_NS4_Concept

このシステムは追い越し時の後方車両検知システムとも組み合わせが可能で、設計次第では後方だけで無く、死角で見ることができない助手席側の前輪とわだちとの間隔確認にも利用できそう。

ミラーの電動格納機能や角度調整機能などの省略により、コストダウンが可能となり、システム採用時のコストアップ是正が図れる可能性も。

同社は既にISO標準化プログラムの一環として欧州委員会による手続きを進めており、EU法規で2016年にミラーをカメラに置き換えることが認可される見込みと言います。

ちなみに「Valeo」は日本に約30年前に進出、日本国内に9カ所の生産拠点、3カ所の研究開発センターを構え約2,800人の従業員を擁しています。

自動車用ランプ事業では大手の市光工業と事業提携、アフターマーケット製品の販売ではPIAAとビジネスパートナーシップを締結するなど、積極的に活動。

これまでショーモデルにしか見られなかったミラーの小型化が実現すれば欧州を起点に世界のカーデザインに影響を及ぼす可能性が高そうです。

■Valeo 本国Webサイト
http://www.valeo.com/en

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 (Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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